Chibabiz.com
千葉県企業の情報サイト
〈チバビズドットコム〉

HOME ぴかいちば チバビズ探訪 ちばのたね ホームページ道場 バックナンバー チバビズ・マルシェ
ちばのたね
ちばのたね
千葉の人でも意外と知らなかった特徴と魅力。
チバビズの視点を通して、
街の新しいビジネスの種を見つけてください。


栄町 龍角寺
地図
風土記の丘の町
 房総半島の北西部栄町南部と隣接する成田市北部の地域には、古墳時代の6世紀から7世紀にかけて作られた古墳群があり、「龍角寺古墳群」と呼ばれています。栄町と成田市に跨る地域に現在確認されている古墳の総数は前方後円墳が37基、方墳が6基、円墳71基の合計114基で、千葉県内有数の大規模古墳群になっています。7世紀に造られた古墳としては全国で最大規模の方墳「岩屋古墳」や千葉県内で最後に築造されたと思われる「浅間山(せんげんやま)古墳」などがあります。「浅間山古墳」が最後となったのは、大和朝廷の支配が確立し、印旛沼周辺の豪族が大和政権を支える勢力へと変わったことを示しています。
 文化庁はこのような遺跡及び歴史資料の保存と活用を目的に、史跡を中心に「野外博物館・歴史公園」として「風土記の丘」を全国16か所に作りました。1976年(昭和51年)に栄町に作られた「千葉県房総風土記の丘」もそのひとつで、その後2004年(平成16年)には栄町と成田市にまたがった地域に造られた体験型博物館「千葉県立房総のむら」に統合されました。「千葉県立房総のむら」は、江戸時代の商家や武家屋敷、農村などが復元展示され、ドラマや映画のロケ地としても有名なスポットになっており、「千葉県立房総のむら」に統合された「千葉県立房総風土記の丘」に建設された「風土記の丘資料館」には縄文から古代当時の様子を見ることができる古墳群のジオラマや出土品が展示されています。
岩屋古墳
方墳としては最大級の「岩屋古墳」
資料館
千葉県立房総風土記の丘資料館

伝説の寺「龍角寺」
 栄町にある天台宗の寺院「龍角寺」は発掘調査の結果、今の姿からは想像もつかないほどの歴史ある寺院で、境内からはいくつもの遺構が見つかりました。発見された遺構は7世紀後半に作られた千葉県最古の瓦葺き寺院で、創建年代の古さでは関東で最も古い方の寺院だったことがわかりました。更に、江戸時代に編纂された佐倉地域について書かれた「佐倉風土記」には「龍角寺伝説」という「龍角寺」にまつわる話が記録されていました。
 「龍角寺伝説」によると、731年(天平3年)に起きた飢饉を解消するため、雨を降らせる「龍神」ゆかりの「龍角寺」に白羽の矢が立ち、命を受けた「龍角寺」の「釈命上人(しゃくめいしょうにん)」が祈り続けていると「印旛沼の主の龍の化身」が現れました。その龍の化身は「雨を降らせれば自分の体は印旛沼の辺りに三つに裂かれて落ちるので、亡骸の頭は『龍角寺』に、腹は印西の『地蔵堂』に、尾は匝瑳の『大寺』に納めてくださいと」願い出ました。龍の化身はそう言うと姿が見えなくなり、言ったとおり雨が降り出し、やがて雨が止むと印旛沼のほとりに龍の身体が三つに裂かれ落ちていました。落ちていた亡骸は龍が願い出たとおりの三か所の寺に納められたということです。
 また、栄町周辺には他にも「八つの井戸」「片歯梅」「不増不滅の石」「龍燈腰掛の松」「三ヶの岩屋」「村雨返しの松」「親は古酒、子は清水」の「龍角寺の七不思議」と呼ばれている不思議な伝説も語り継がれています。
龍角寺
龍角寺
心礎
塔の「心礎」

古代から現代までを結ぶ伝説の龍の町
 「龍角寺」の本尊「薬師如来坐像」の頭部が1932年(昭和7年)に飛鳥時代後期に作られた貴重な仏像だったことが分かり、現在は「重要文化財」に指定されています。像の高さは130cmほどで、江戸時代の1668年(寛文8年)から1704年(元禄17年)に該当する「元禄年間」に火災で首から下が焼失し、改めて1711年(宝永8年)から1716年(正徳6年)の「正徳年間」に首から下が鋳造されたことも分かりました。
 龍角寺の境内には仁王門が建っていた跡の「礎石」や、三重か七重かは分からないものの「塔」の中心の基礎になっていた「心礎」が残っており、この「心礎」は「龍角寺の七不思議」の中にある「不増不滅の石」として語り継がれています。他にも境内からは古代の瓦も発掘調され、境内に作られた「保存塚」に埋められています。
 また、「佐倉風土記」に書かれていた「龍の亡骸」のうち「龍角寺」に納められたという「龍の頭の骨」は今も保存され、春の「桜祭り」や秋の「ふるさと祭り」にはこの骨が公開されています。
 龍角寺に伝わる「本尊」や「龍の頭の骨」などは境内にある明治時代初期に作られた「校倉造(あぜくらづくり)」の収納庫(「奉安殿」)に保管され、当初は成田市にあった「宮内庁下総御料牧場」にあったものを、成田空港建築に伴い「龍角寺」の境内に移築されたものです。
 このように栄町は「龍角寺」と「龍」にまつわる歴史が残されていることから、町のイメージキャラクターを『町民に夢や未来を与える』という意味を込め、「龍伝説」の龍を模した「龍夢(ドラム)」に決定し、町の総合交流拠点は「ドラムの里」としました。更に2018年(平成30年)には「コスプレの館」も作られ、忍者やサムライ、ハイカラさんなど約300着の衣装が用意され、コスプレをして隣接する「千葉県立房総のむら」を散策することができ、海外からのインバウンド客にも大人気になっています。
 古代から人々が暮らし「龍伝説」が伝えられる栄町は、古墳をはじめ歴史的な建物「千葉県立房総のむら」の街並、そしてそれを少でも間近に感じる「コスプレの館」を通して、国内外に「今と昔を繋ぐ町」の発信拠点として、また新しい「伝説」を残していくかもしれません。
龍角寺本尊の頭
風土記の丘資料館の龍角寺本尊の頭(レプリカ)
保存塚
古代瓦が保存されている保存塚

龍角寺本尊の頭
ドラムの里の観光案内所の壁面の「龍夢」
保存塚
ドラムの里に隣接した「コスプレの館」

(2025/3/10)
ちばのたね 
バックナンバー
バックナンバーの一覧はコチラ
HOME ぴかいちば チバビズ探訪 ちばのたね ホームページ道場 バックナンバー チバビズ・マルシェ
お問い合わせはこちら

チバビズドットコム制作委員会
株式会社 翠松堂BTL
© 2017 chibabiz.com Production Committee
トップへ戻る