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ちばのたね
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千葉の人でも意外と知らなかった特徴と魅力。
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街の新しいビジネスの種を見つけてください。


いすみ市(いすみし)
地図
機械根で豊富な水揚げを誇る
 いすみ市は、東は房総半島の太平洋側に面し、海側から内陸向かって丘陵が広がる里海、里山に囲まれ、災害も少なく、太平洋を流れる黒潮の影響で年中温暖な気候の街です。
 沿岸部は九十九里浜の南端の太東岬から続く丘陵地で、磯浜が続く海岸線は南房総国定公園に指定されています。内陸部には水田が広がり、溜池や堰(せき:河川を横断して貯水をするもの)が点在し、北部には千葉県最大の流域面積を持つ夷隅川が横断しています。
 産業は農業が盛んで、夷隅川流域の粘土質の地質を活かした水田で稲作が盛んに行われており、生産された米は皇室献上米にもなりました。南部の里山が多い地域では梨をはじめ果実の栽培が行われています。
 漁業は、岩船漁港、太東漁港、イセエビやタコの最大級の水揚げで有名な大原漁港があります。大原漁港の沖合には、機械根(きかいね)と呼ばれる深さ20m前後の砂場と岩場が入り組んでいる岩礁地帯があり、その広さはいすみ市の面積に及ぶほどで、世界でも有数の漁場といわれています。
 1885年(明治18年)、市内の酒蔵「木戸泉(きどいずみ)」の三代目社長がイギリスから潜水機を輸入して潜ってみたところ、海底に2~3キロはありそうなアワビが沢山いたことが広まり、全国から潜水機でアワビを取りに来たそうです。「根」とは漁師言葉で岩礁のことで、「機械で潜ってアワビを取る岩礁」という意味で「機械根」(器械根)と呼ばれるようになりました。
 いすみ市への交通アクセスは、鉄道が沿岸部を南北にJR東日本の外房線が通り、太東駅、長者町駅、三門駅、大原駅、浪花駅の5駅があります。また、いすみ鉄道が横断し、市内には大原駅、上総東駅、国吉駅、上総中川駅の3つの駅があります。
 国道は外房線に沿ったように沿岸部を128号線が市内を縦断し、465号線がいすみ鉄道に沿って市内を横断していますが、高速道路は通っていません。
いすみ市沿岸部
いすみ市沿岸部を望む 正面に見えるのは河口干潟と夷隅川
市内陸部の里山の景色
いすみ市内陸部の里山の景色

大原漁港
大原漁港
大原駅
JR東日本の大原駅といすみ鉄道大原駅

かつて避暑地として栄えた街
 鎌倉時代の末から室町時代初期にかけて、枯山水の庭園を作る作庭家であり漢詩人、歌人としても活躍した臨済宗の僧、夢窓疎石が現在のいすみ市能実に移り住み、1325年(正中2年)に後醍醐天皇に請われて京都の南禅寺の住持となるまでの2年間を過ごしました。現在も市内の太高寺の裏には、疎石が修行のために籠ったとされる坐禅屈(金毛窟)が残っています。
 戦国時代に入ると、ほぼ現在のいすみ市と同じ領域を上総土岐氏が支配し、万木城(まんぎじょう)を築きました。土岐氏は最終的に豊臣秀吉の小田原征伐の際に北条氏側に属したため、この万木城は本多忠勝が入城しましたが、その後、大多喜城に移ったため廃城となりました。現在、この万木城は万木城公園になっています。
 江戸時代中期には、地引網漁がさかんに行われ、沿岸部は賑わうようになりました。五穀豊穣や大漁を願う「大原はだか祭り」などの祭礼がこの頃から始まり、江戸時代後期には、浮世絵で有名な葛飾北斎に影響を与えたといわれている武志伊八郎信由(たけしいはちろうよしのぶ)(別名:波の伊八)が市内の行元寺、飯縄寺などに作品を残しています。
 1899年(明治32年)には房総鉄道(現在の外房線)の一宮駅―大原駅間が開業となり、東京方面から多くの人々が訪れる避暑地として別荘が建てられるようになりました。明治の文豪、森鴎外も別荘を建てた一人で、他にも作家の山本有三はこの周辺を舞台にした作品「真実一路」を執筆しました。
 昭和初期に、いすみ市国吉で生産された米は「国吉米」として東京方面で高値で取引されるようになり、現在でも「いすみ米」と名を変え、そのブランドを引き継いでいます。
 このような歴史のあるこの地域は、2005年(平成17年)の平成の大合併で夷隅町、大原町、岬町が合併し、現在のいすみ市が誕生しました。
万木城公園
天守閣を模した展望台がある万木城公園
波の伊八の作品 
飯縄寺の波の伊八の作品

地域情報の発信と移住支援で住みたい田舎で4年連続1位を獲得
 日本の酪農発祥の地でもある千葉県には、酪農県らしく12軒のチーズ工房があり、どの工房も本格的なチーズ作りを行っています。12軒あるうちの半分の6軒がいすみ市にあるため、NPO法人ライフスタイル研究所は、市内のチーズ工房を紹介するため、「チーズ工房MAP」を作成し観光客に配布するなどの活動を行っています。また、このチーズはいすみ市のふるさと返礼品にも採用されるなど、地域を上げていすみ市のチーズを盛り上げていこうとしています。
 いすみ市を知ってもらうために、いすみ市役所の観光課に「いすみ外房フィルムコミッション(ISFC)」の事務局を置き、映画、ドラマ、CMを始めとしたロケーションサービスを提供しています。その活動のおかげで、さまざまな映画、ドラマ、CMなどに採用され、2018年(平成30年)5月に開催されたカンヌ映画祭の最高賞、「パルム・ドール」を獲得した「万引き家族」でもいすみ市がロケ地に採用されています。このようないすみ市の周知活動も、いすみ市への移住者増加に貢献しています。
 自然が豊富で農業も漁業も盛んで食に関しても豊かな土地のいすみ市は、ここ数年学校給食への取り組みも新たな市の魅力として知られるようになりました。それは有機米生産と学校給食への100%導入の取り組みです。また、子育て支援や移住者のための空き家バンク、移住体験プログラム、創業支援など、移住者のための取り組みが盛んに行われています。更に、この取り組みは行政に留まらず、NPOなど市民団体も力を入れています。
 移住体験の受託をはじめ、移住者と地元民とを結びつけるイベントや移住を検討している人たちに情報提供をするなど、積極的な活動の結果、いすみ市は宝島社発行の「田舎暮らしの本」2020年2月号に掲載された「住みたい田舎ベストランキング」では、4年連続で首都圏エリアの総合1位を獲得しました。
 過疎化が進む中、周知活動と移住者への取り組みで、いすみ市は千葉県内でも大注目の場所です。他の地域でも移住者増加対策の参考になるのではないでしょうか。
いすみ市役所
いすみ市役所
チーズ工房
高秀牧場のチーズ工房

いすみ医療センター
いすみ医療センター
ハウススタジオ
ハウススタジオ

(2021/1/12)
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