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チバビズ探訪
千葉のビジネスを活性化する団体や活動を
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Vol.31
銚子電鉄のある風景
銚子電鉄
皆の支えで走り続ける銚子電鉄
 銚子電気鉄道株式会社(通称:銚子電鉄、銚電)は、JR東日本の総武本線・成田線の銚子駅で連結し、千葉県銚子市の銚子駅から外川駅まで10駅、6.4kmを走る鉄道です。銚子駅から銚子初の漁港の外川まで、JRではカバーされていない銚子の東端をカバーし、沿線住人の毎日の足、そして観光客の足として鉄道が引かれ107年間、銚子電気鉄道株式会社になってからでも72年間という長い間銚子のインフラとして営業を続けています。
 銚子電気鉄道は千葉県内のローカル鉄道のJR久留里線や小湊鉄道、いすみ鉄道など電化されていない路線があるにもかかわらず、1925年(大正14年)に電化(電車化)されました。総武線のお茶の水駅―千葉駅間の電化が1935年(昭和10年)だったことを考えると当時としては最先端の鉄道だったでしょう。
 最先端の鉄道だった時に使用している車両は今では中古の中古という年代物の車両ばかりで、逆に希少価値のある車両が現役で使われている事から、全国の鉄道ファンが銚子を訪れています。
 2006年(平成18年)の国土交通省の保安監査の結果、路線設備での不具合の改善命令が出されたのがきっかけで、翌2007年(平成19年)には「銚子電鉄サポーターズ」が設置され、設備の改善に限定したサポート基金の募集でこの難局を乗り越えました。2011年(平成23年)の東日本大震災と福島第一原子力発電所事故などの風評被害など経営が行き詰まり、2013年(平成25年)に当面10年間の車両・設備更新費用のうち国が1/3・千葉県と銚子市がそれぞれ1/6負担するということで経営危機を免れるなど、県と銚子市と市民、そして銚子電気鉄道のファンの支えで運行しています。
ヤマサ醤油と電気機関車
ヤマサ醤油の工場に隣接した本拠地の仲ノ町駅
入場料を払えば日本最古の電気機関車を見学できる

銚子駅
銚子駅→
仲ノ町駅
仲ノ町駅→
観音駅
観音駅→
本銚子駅
本銚子駅→

笠上黒生駅
笠上黒生駅→
西海鹿島駅
西海鹿島駅→
海鹿島駅
海鹿島駅→
君ヶ浜駅
君ヶ浜駅→

犬吠駅
犬吠駅→
外川駅
外川駅

ぬれ煎餅で危機脱出
 そもそも銚子の街を走るこの鉄道は、開業当初からその経営は常に困難を極めていました。1913年(大正2年)に現在の銚子駅から犬吠駅間を銚子遊覧鉄道として開業しましたが、利用不振で開業からわずか4年という短さで1917年(大正6年)に廃止となってしまいました。この路線を生かそうという動きから1922年(大正11年)に銚子鉄道が設立され、翌年に銚子駅から外川間で開業しました。
 太平洋戦争で戦災を受け、仮営業を継続していたものの1948年(昭和23年)に企業再建整備法により銚子鉄道は解散し、新たに銚子電気鉄道が設立されました。
 1960年(昭和35年)には千葉交通の傘下となり京成グループへ加入しましたが、昭和30 年代に年間250 万人以上いた乗客が、平成になると銚子への観光客も減少したこともあり、利用客が100万人を切るまでに減少してしまいました。
 1990年(平成2年)には千葉交通から東金市の総合建設会社の傘下になりましたが、親会社が破産し社長が横領をしていたことが発覚するという事態に陥りました。
 この事件により会社の運転資金が不足し、車両の法定検査を行えないという事態にまで陥りました。
 法廷検査が行えないと鉄道事業を続けることができないため、社員たちは少しでも資金を稼ごうと副業としてぬれ煎餅を始め好評だったので売り歩きました。しかし、思うように売りあがらず、神頼みのような気持ちで自社のホームページに「電車運行維持のために、ぬれ煎餅を買ってください!!」「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです」と書き込んだことで、1週間に15,000件もの注文を獲得することに成功し、最大の危機を乗り越えたという逸話が残っています。
ぬれ煎餅
今や銚子電鉄の名物となったぬれ煎餅のパッケージの中には銚子電鉄からのメッセージが入っている

本社と販売店
テレビなどでも紹介される銚子電気鉄道本社
ぬれ煎餅駅という名称の銚子電鉄のお土産販売店

「あきらめない鉄道」と「あきらめない銚子」
 銚子港は2019年(令和元年)の水揚げ高は9年連続で日本一続けていますが、銚子市の人口は2020年(令和2年)8月1日現在59,566人と、1975年(昭和50年)の90,374人をピークに比べると約66%減少し、観光客数も減少し、街の中心街はシャッターが閉まった店舗も多く目につくようになっています。
 銚子電気鉄道は経営再建、資金確保のため、たい焼きブームに乗じてたい焼きの販売から始まり、ぬれ煎餅・まずい棒の販売など、どちらが本業かと思うような食品販売に加え、走る電車「お化け屋敷」や「電車を止めるな」という聞いた事のあるような映画製作、「破産寸前」とタイトルの付いたYouTubeの動画配信など奇想天外なアイデアを繰り出し注目を集めています。自虐ネタを「自ギャグ」と称しふざけているようですが、その実「何とか鉄道を残していきたい」という想いは、地元はもちろんの事、鉄道ファンを越え全国に響いているのではないでしょうか。この行動は地元の方にひんしゅくを買うどころか、「銚子の名前が出るだけで良い」ともいわれ、銚子に注目してもらえる原動力として捉えている方も多いようです。
 銚子電気鉄道では「今、地域が衰退すれば鉄道も無くなってしまう。地域と鉄道は表裏一体の関係。だから地域鉄道は地域と共に存続する。」という考えのもと、地ビールや名産のキャベツを広めようと活動している農家など、銚子の街に芽生えている新しい力、「あきらめない銚子」の流れと共に、必ずや新しい銚子の街を作ってくれるでしょう。
市役所と観音駅
銚子電鉄に料金の1%が寄付できる銚子電力の本社に
なっている銚子市役所
観音駅ではボランティアが駅の整備を行っている

市役所と観音駅
1950年(昭和25年)に製造され銚子商業の生徒と千葉
市内の企業で復元、外川駅展示されているデハ801号
犬吠駅にはキャンピングカーを宿泊施設にするMobiHOを
展示するなど企業とのコラボも積極的に行っている

(2020/9/10)
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