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ぴかいちば
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千葉のきらりと光る
社長へのインタビューをご紹介。
社長の熱い思いを語っていただきます。

住む人にやさしく、
エネルギー性能の高い住宅が
「全ての基になる」
自然に帰る素材の家
 TK base houseは白子町で自然素材を使った住宅を作っています。2017年の4月に個人事業主として起業し、2018年10月に法人化しました。
 TK base houseという社名は、TKは私のイニシャルで、baseは「基」、houseは「家」で、「家が全ての基になる」という意味を込めて付けました。
 現在お客様にご提供している家の仕様は、私と家族が体験してきた事から生まれました。
 結婚当初に住んでいたのが昭和56年に建てられた古い建物で、その家では妻が常に頭が痛いという状態になりました。次に引っ越した家は、ホルムアルデヒドなど有害物質の規制後に建てられた新築の貸家でしたが、断熱性・気密性も悪く新建材を多く使った住宅でした冬の寒い朝などは室温が5度の時もありました。その住宅に住み続けた結果子供にアレルギーやぜんそくが出てしまいました。
 この様な出来事が起きたことを機に、家に使う建材や性能などを勉強するようになり、調べてみるとアレルギーと因果関係があると思えるものが見つかりました。建材の成分に規制がかかったのは実際に被害があったからですが、現在も量が減ってはいるものの使われています。
 健康に影響があるものが使われていると分かってしまった以上、無視して使うわけにはいきません。そこで、人体に影響をおよぼす可能性があるものを極力使わず、かつ高額ではない、一般の方が住宅を建てる際に買える「モデル」として自宅を建ててみようと考えました。実際に自宅の建設では、素材、価格、経費など色々な事を天秤にかけながら選定し、やっと完成し、それがわが社の住宅の「基本的な仕様」としてまとまりました。
 具体的には、外壁には漆喰・木板・石を内壁には漆喰や珪藻土、卵の殻を混合した自然素材の壁に抗菌作用や消臭効果がある柿渋(タンニン)を練り込んだものを、床材・ドアには無垢材を主に使用し、植物油・植物蝋を主成分としたものにシックハウス症候群の原因物質ホルムアルデヒドを吸着・中和する柿渋エキスを使用した塗料を使っています。また一般的なクロスは一切使わず、使う場合は和紙や自然素材ベースの壁紙を使うようにしています。その結果、わが社の住宅の仕様は、家を壊した時にも材料の大半が自然に帰る物になりました。
 少人数で業務が忙しくホームページも無いという状況ですが、アフターサービスの問題なども考え、お引き受けする物件は会社から一時間圏内に限定していても、おかげさまで口コミでお客様が切れ目なく来てくださいます。
株式会社TK base house
事務所には木のサンプルと自然素材の塗料を用意
作り付けの棚やテーブルなども自社製

大工と料理人を
掛け持ちする
 父は工務店を経営していましたが、私は一切建築の仕事をするつもりがなく、高校も工業高校に進学したものの、建築科があるにも関わらず電気科に進み電気工事士の資格も取得しました。そんな行動をしたのも「自分は後を継がない」という意思表示であったかもしれません。
 高校時代の3年間は、レストランでアルバイトしていました。その間に厨房で料理をみっちり仕込まれ、高校を卒業する頃にはある程度料理ができるようになっていました。
高校時代は、最初はお金のためにレストランでアルバイトをしていましたが、次第に料理を作る楽しさを知り、卒業後は建築とも電気とも関係ない飲食店で働き始めました。
 その頃、父はやる気のない自分を「引っ張って来てでもやらせたい」想いだったかもしれませんが、私は単にお金を稼ぐつもりで父の誘いに乗って、日中は父の工務店で大工の仕事を、夜は飲食店で働くという「二足のわらじ」生活をしばらく送っていました。
 21歳の頃に結婚することになりましたが、さすがに結婚してまで「二足のわらじ」生活をしていくわけにはいかないので、飲食の仕事を辞め、父の会社に正式に入社することにしました。  父の会社では、15年程大工として現場に入って仕事をしていました。
 独立する直前は現場には入らずお客様・協力会社さんとの打ち合わせなど営業や監督の様な仕事をしていました。
 私が継がずに独立の道を選んだのは、父の工務店が寺社建築の仕事にスイッチしていくのに対し、私は「住宅の仕事」に可能性を感じていたからでした。住宅と寺社の建築は似て非なるもので、お寺を建てることができても最新の住宅が建てられるわけでもなく、住宅を建てることができてもお寺を建てることはできません。また寺社の建築も奥が深く、住宅と寺社の両方を手掛ければ、どちらも中途半端になってしまいます。
 更に住宅を選んだもう一つの理由は、寺社建築の仕事は地方への出張も多く、妻や小さい子供を残して家を空けることが多くなるのを避けたいという想いでした。
株式会社TK base house
サイディングなどは使わず漆喰の外壁
ワンポイントとして木の壁面でデザイン性を向上
住宅性能を向上させ
建物の資産価値を守る
 私自身が大工仕事もやってきているので、「ここにこれが必要だ」とか「ここがこうなると使いづらい」という事がわかるので設計も私がしています。設計で気を付けているのは「建物としての強さと機能性」はもちろんの事、木が人に与える「リラックス効果」も考えています。   たとえば扉なども住宅設備メーカー製ではなく、自社で作った物か無垢材を使ったメーカーの物を使い、一部はあえて無垢材の梁を見せるなど、デザイン性の高い「かっこいい住宅」を作るようにしています。
 日射遮蔽を計算して高断熱・高気密の住宅はイニシャルコストの建築費用は多少上がりますが、電気代などのランニングコストでそれを取り戻すことができます。以前私が住んでいた新築の17坪の平屋の貸家では夏場の電気代が3万円位かかっていましたが、吹き抜けを含めると80坪近くある現在の家は、電気代が半分以下になりました。イニシャルコストは多少増えても、ランニングコストが下がることで、ある程度の年数でコストは逆転してしまいます。その上にどの部屋も温度差がほとんどない快適な生活が手に入れられるのです。
 実際の性能面で我が社の住宅も世間で騒がれているZEH(ゼッチ)※1を当たり前にクリアしていますが、多くのビルダーや工務店でもこの程度の事はやっています。
しかしZEHはエネルギー面だけの評価で、性能が悪い家でも太陽光パネルなどを追加し発電量を増やして収支をゼロにする事ができてしまいます。それではその住宅はいずれ「壊してまた新たに建てる」ものになってしまいます。
 私はそういう住宅が増えていく事にストップをかけるため、BELS(ベルス)評価表※2で「家の燃費」を評価・認定してもらい、建物の資産価値を守る取り組みに挑戦しています。
 実際にヨーロッパやアメリカでは古い建物の価値は下がりませんが、日本では古民家などの場合別の「付加価値」で評価が下がらないケースがあるものの、普通の住宅の価値は下がる一方です。そこで性能の良い建物を建て、BELS評価表で評価されていれば、その建物は資産価値を持ち、壊される事がなく長く受け継がれていきます。
※1.ZEH(ゼッチ)とは、Net Xero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、住まいの断熱性・省エネ性能を上げ、太陽光発電などでエネルギーを創り、消費エネルギー量の収支をプラスマイナス「ゼロ」にする住宅を指します。
※2.BELS(ベルス)評価表とは、「建築物省エネルギー性能表示制度」のことで、新築・既存の建築物において、省エネ性能を一般社団法人住宅性能評価・表示協会が認定評価し認定する制度です。
株式会社TK base house
プライバシーのため締め切ることが多い2階の子供部屋以外の全てをエアコン一台でカバーしている。
住宅性能を示すBELS評価表
株式会社TK base house
エネルギー効率を考慮した外観
ソーラーパネルの発電量と消費量を常に表示
地産地消の
住宅バージョンに挑む
 これから取り組んでいきたいのは、電力会社の送電網に接続しないで電力を自給自足する「オフグリッド」を進めた、いわば「地産地消の住宅バージョン」の住宅です。  住宅で電気を作り、水もその電気で井戸からくみ上げてろ過して使う。そうすることで電力会社からの電気の供給を受けず、水道も引く必要がないので、住宅を建てる際に近くに水道管が通っていなくても、高額を払って水道管を引く負担もありません。また、電気が使えれば井戸水なので断水も関係ありません。
 昨年の台風災害では避難した先のほとんどの施設に電気が供給されておらず、発電機を使って電気を起こしていましたが、音がうるさく寝る事も出来ません。
 一方オフグリッドの住宅がある事で、災害時など断水・停電で困っている回りの方々に水や電気を提供でき、そういう家が点々とあったら、その周辺に住んでいる方も困りません。これからは世の中の流れも、おのずとそういう風に進んでいくと思っています。
 千葉は日本海側と比べても圧倒的に日照時間が長く恵まれた土地で、本来なら「オフグリッド」が普及していてもおかしくありません。それが進まないのは蓄電池が高額なのがネックになっているからです。
 蓄電池の金額が高額なのは、日本のメーカーの「企業努力が足りない」といってしまえば簡単ですが、実際に開発している方々は一生懸命努力しているのだと思います。しかし、今の価格では普及が難しく、でも普及していかなければ意味がありません。
 私達もお客様に高額な国産の蓄電池をお客様に勧めることができないでいたところ、電気自動車やソーラーパネル、蓄電池などを販売しているアメリカのテスラ社が、「パワーウォール」という家庭用蓄電池を国産の半分以下の価格で日本でも販売することになりました。まずは実験も兼ねて私の自宅に付け、お客様にも見てもらおうと思い、現在入荷を待っている所です。
 当面の私の目標は、2年以内にこのテスラ社製の蓄電池を使った「本当のオフグリッド住宅」を千葉で建てたいと思っています。それが実現できれば、様々な住宅会社も追従するようになり、新しい住宅の可能性がさらに広がっていくのではないかと思います。
株式会社TK base house
ドイツへ視察旅行
モダンな外観(市原市)(Photo by Daijirou Okada)
株式会社TK base house
リビングから景色を望む(Photo by Daijirou Okada)
明るい洗面とバスルーム(Photo by Daijirou Okada)
株式会社TK base house
企業名 株式会社TK base house
事業
概要
住宅の建設
住 所 〒299-4202
千葉県長生郡白子町牛込64番地1
電話
番号
TEL:0475-38-7530
従業員 2名
資本金 500万円
(2020/10/10)


〈編集後記〉
 家族のためからスタートした健康な家づくりは、家族を健康にそして笑顔にしました。そしてその家づくりはお客様へと展開しています。
 住宅の仕事に「可能性」を感じていた片岡さんは、エネルギーを自給自足する住宅「オフグリッド」へ進化させる事にチャレンジしています。
 片岡さんの挑戦は、きっと家族の笑顔だけでなく全てのお客様の笑顔へと広がっていく事でしょう。
千葉県企業の
経営者インタビュー
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