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Goooood Job 職人技・技術クローズアップ
Goooood Job
あっと驚く技術、
う〜んとうなる職人技など
千葉の「グッジョブ」の数々をご紹介します。

Goooood Job バックナンバー(13~24)
チャバタでコミュニティを作る
チャバタでコミュニティを作る
ぱんとおやつのお店 おうち
ぱんとおやつのお店 おうち
代表の那須さん
イベントのあるパン屋
当店は2018年の3月30日にオープンした「チャバタ」という北イタリア発祥の食事パンの専門店です。日本ではあまり馴染みが無いパンですが、イタリアでは普通に家庭で食べているもので、バター、卵、イーストを使用せず、小麦粉と塩と砂糖と天然酵母だけで作っているので、モチモチの食感でアレルギーを持つ子供達でも安心して食べていただけます。
店ではチャバタの販売の他に、絵本の「読み聞かせの会」を始め毎日様々なイベントを開き、特に若いママさん達の情報交流の場として機能しています。
店名の「おうち」という名前は、「居心地のいい場所」、自分の家に帰る位のイメージでこの店に来て欲しいという意味を込めています。パンだけじゃなくて、色々な悩みを話して帰る。そういう居場所づくりをしたかったので、「おうち」という名前にしました。
ぱんとおやつのお店 おうち
おうちマークの看板
一般の住宅を改装した
店舗まさにおうち

無添加パンのチャバタを始める
私の子供には卵も牛乳のアレルギーがあり、普通のパンを食べる事ができませんでした。小学校の給食で出たパンも食べる事ができなかったので、他の子供と同じようにパンを食べさせてあげたいという思いで、パン教室に通ってチャバタと出会いました。
子供が小学校2年生になり学校でも除去食がOKになって少し手が離れたのを機に、今のこの店の場所にあった無添加のベーグル店で働き始めました。
当時、私の子供のアレルギー対策についての情報を得る手段が無く、病院で聞いた情報しなかったので、私の経験を話す事ができる場を作りたいという思いから、自分で店を立ち上げる決心をしました。
私は、ベーグル店で働きながら開業する場所を探していましたが、1階でイベントもパン屋もできる場所がありませんでした。そんな中、たまたま働いていたベーグル店が移転する話があり、住居スペースになっていた2階を使えばイベントも開けると思い、この場所で店を出すことにしました。
ぱんとおやつのお店 おうち
店内には無添加の素材を使った
様々なチャバティが
惣菜パンとしても
その場でオーダーに対応してくれる

ママさん達のために
チャバタは一般のパンの水分量は小麦粉に対して50%程度ですが、チャバタは90%もあり手間がかかるので一般的なパン屋さんはやりたがりません。ベーグル店で働いている時に自宅でチャバタを作って販売をしていたので、既に食べてもらっていて浸透するのはわかっていました。この店の近くには競合となるパン屋さんが10件以上はありますが、専門店なら差別化できるという考えがありました。
でも、販売するパンはチャバタにこだわっていたわけではなく、天然酵母を使っていて、卵や牛乳を使っていないアレルギーを持っている人でも食べることができるパンを作りたかっただけでした。結局チャバタになったのは、モチモチしていても私の子供も好きだったからでした。
パンの店をやるにあたって、どうしても外せなかったのは「居場所」作りをすることでした。誰に話しても両方やるのはブレるのではないかと言われましたが、結局2018年3月30日に店をオープンして、5月には友達の先生にお願いして絵本の読み聞かせの会を開催しました。
やってみて分かったのは、ちょっとおしゃべりができたり、情報が欲しい時にわざわざ区役所に行って聞くのではなく、ママ同志から色々な情報が聞きたいという人が多いということでした。ホームページも作らずに、チラシを作ることなく、InstagramとFacebookと口コミだけで始めた店ですが、ママ達はやはりそれだけ居場所を求めていたということでした。
ぱんとおやつのお店 おうち
オープン当初から開催している
読み聞かせの会
店にはママ達の交流ノートが

地域交流できるコミュニティを作りたい
今は休み無しで働いています。日曜日と月曜日は定休日ですが、日曜日は買い出しと卸している先への配達、そして月曜日は仕込みをしていています。全然休みを取れないので同じような取り組みをしている方にもお会いしてみたいと思っていますが、現在はできない状況です。
店がオープンして一年半経ち3名のスタッフも、少しずつ慣れてきて任せられるようになってきています。オープン2年目に向けて「この日はいるけど、この日はいない」というような日を作っていく事が課題です。
また、もう一つの課題は、来店してくれるお客様の大半は小さなお子様とママさん達ですが、商圏分析的にいうと、この店の半径1km以内には60代から70代の方が多く住んでいます。でも来店してくれるのは、少なくそれをどうやって増やしていくかが悩みです。この世代の方がもっと来てくれて、小さいお子様連れの方達とのコミュニケーションが取れるイベントを開ければ、もっと活性化するのでは無いかと思います。 この店が「みんなが集まれる場所」になれたら良いなと思っています。
ぱんとおやつのお店 おうち
今年1月には
「ぶらり途中下車」でも紹介された
店舗フェイスには
イベント告知の手書きのポスターが

(2019/10/10)
網元が大漁祝いの引き出物として漁師に配った祝い着
萬祝(まいわい)と大漁旗
萬祝(まいわい)
(館山市 渚の博物館展示)
萬祝とは
萬祝とは、網元が大漁祝いの引き出物として漁師に配った祝い着で、江戸時代末期から昭和の初めまでその習慣は行われていました。鴨川、銚子など房総半島の漁村が発祥といわれ、その後伊豆から八戸まで、太平洋岸に広く伝播しました。
漁師達には反物として渡され、それぞれ自分に合わせて膝下まである長半纏(ながばんてん)に仕立てられ、大漁の翌年の正月の参詣の際や、網元の家での三日三晩の酒盛りを酌み交わす時に着られました。
江戸時代末期に、房総は地引網で大量に獲れたイワシを乾燥して肥料にした干鰯(ほしか)が盛んに使われるようになり、好景気を迎えていました。イワシ成金と呼ばれる有力な網元が数多く登場し、資産は10万石クラスの大名に匹敵するほどであったといわれ、江戸から文化人を招いては逗留させ、贅沢三昧の毎日を送っていたそうです。
九十九里にあった地域の資料によると、明治時代初めに今の金額で地引網一網は1,000万円もかかったそうで、萬祝は明治から昭和にかけての70年間で14回しか作られていませんでした。萬祝を作るということがいかに大漁だったかが伺えます。
萬祝(まいわい)
(館山市 渚の博物館展示)
(館山市 渚の博物館展示)

デザイン
江戸時代後期に、南房総はイワシだけではなくマグロやタイといった高価な魚も多く獲れるようになり、現在の館山市から江戸の魚河岸に魚を届ける押送船(おしおくりぶね)が出るようになり、景気を更に押し上げました。
萬祝の生地は、江戸時代に盛んに生産されるようになった木綿が使われ、藍染をベースに作られていました。柄は背中部分が中心で、背中部分の背紋(背型)には発注した網元の家紋や屋号、船名などが描かれ、腰型(裾模様)には海や漁に関わる縁起の良い図柄が選ばれました。多くは鶴亀・宝船・鯛など、縁起の良いものをカラフルな色で描かれています。
この萬祝の図柄をデザインしていたのは絵師たちでした。江戸時代に人気を博した浮世絵師に比べ、落ちぶれてしまった狩野派の絵師などは生活の糧として染物を作る紺屋(こうや)に請われ、富裕層となった網元達のために背紋や裾のデザインを考案していました。
萬祝(まいわい)
(館山市 渚の博物館展示)
(南房総市 白浜海洋美術館展示)

銚子の「萬祝式大漁旗」
大漁旗の歴史は1,000年を超えるとされ、村上水軍に由来する説、平家が瀬戸内を船で抜ける際に、軍旗に様々な彩を施したことに由来する説などその起源は諸説あります。
1651年(慶安4年)に伊勢国桑名の漁民が豊漁を知らせる旗を掲げたことが記録に残っています。
萬祝は日本一の漁港、銚子でも作られるようになりましたが、その後作られなくなり昭和30年代からその技術を使って大漁旗を作るようになりました。
元々大漁旗は大漁の知らせを、港で待つ人にいち早く伝えるために船に掲げたのが始まりで、漁師の仕事始めを祈願する漕出式(こいでしき)や、新しい船の誕生を祝う進水式で、漁船を飾る目的で使われてきました。
それまでは単に網元を表す家紋などをあしらった旗でしたが、衰退してしまった萬祝の技法で鮮やかに彩られた旗は、「豊漁を願う」という「めでたい」イメージにふさわしく、受け入れられるようになり、現在のような大漁旗が広まりました。
萬祝(まいわい)
九十九里の巻き網漁法と大漁旗
(海の駅九十九里展示)
大漁旗

「萬祝」を残していくために新たな需要開拓に取り組む
江戸時代後期に作られるようになった萬祝が盛んに作られた最盛期は、明治から大正になってからで、昭和のはじめ頃まで続きました。
現在千葉県の銚子から南房総で萬祝を作っているのは50件余といわれていますが、残念なことに今では昔のような需要は望めません。後継者不足で廃業する紺屋が増えていく中、新しい需要を開拓するため、その技術とデザインを使って様々なグッズを製作する取り組みも行われています。
また、新たな取り組みとして千葉大学デザイン文化計画研究室が館山市立博物館の収蔵している萬祝の型紙を撮影し、図柄のデジタル化を行い、その図柄を日常生活でも使用できるようなグッズを作成してふるさと納税の返礼品を作る取り組みも行われています。
萬祝は「房総半島の萬祝及び紺屋製作用具」として千葉県指定有形民俗文化財に指定され、館山市の渚の博物館や南房総市の白浜海洋美術館などでは常設展示され見ることができます。
一方、銚子の「萬祝式大漁旗」はその役割を拡大し、結婚式、出産祝い、新築祝、開店祝いなどの人生の節目となる記念日や祝いの席を演出してくれる贈り物としての需要も広がっています。
鴨川の「萬祝」と銚子の「萬祝式大漁旗」の製造元のいくつかは、いずれも千葉県指定伝統的工芸品に指定され、その伝統と文化を守り続けています。
萬祝(まいわい)
(海の駅九十九里展示)
唯一の国産大型ポップコーンマシンメーカー
唯一の国産大型ポップコーンマシンメーカー
株式会社イズム
株式会社イズム
国内唯一の大型ポップコーンマシンメーカー
 株式会社イズムは、テーマパークや複数のスクリーンを持つ映画館のシネコンなどで使われる大型のポップコーンマシンを製造している国内唯一のメーカーです。
ポップコーンマシンを主品目とし、他にテーマパークやシネコンの厨房などで使う機械も製造しています。
わが社が製造を始めるまで、国内で使用されるポップコーンマシンは、アメリカ製でした。アメリカ製のマシンは安く提供されていましたが、性能も良くなく、また耐久性も低く、壊れやすい上に、部品の調達もすぐにはできないというものでした。それに比べわが社のマシンの耐久性は10年以上、調理スピードは最速で90秒と、性能面でもアメリカ製を凌駕しています。
他にも安全面や衛生面にも配慮した設計都市、定期的に行う保守点検では修理もわが社のスタッフが直接伺って対応するなど今までに無かったサービスも提供しています。
 ポップコーンマシンの技術的なノウハウの一番大事な所は、ポップコーンを作る鍋の熱伝導、熱効率です。材質も含め、より最適な条件が整っていなければなりません。現在は熱伝導の良いアルミの鍋を使っていますが、よりハードな使用でも耐えられるステンレス製の鍋を使ったマシンを作ろうとしています。ステンレスは温度の調整が難しい素材ですが、今のところ小型の鍋までは成功しているので、大型の鍋でも製品化できるよう開発を続けていきます。
株式会社イズム
イズム製ポップコーンマシン
最短で90秒でおいしいポップコーンができる

偶然出会ったポップコーンマシン
 当時、私は茨城から上京してアルバイトをしていました。20代前半の頃、テーマパークの舞台装置のメンテナンスのアルバイト募集を見つけ、エンターテイメントの世界に興味もあったため応募しました。実際に入ってみると、舞台装置以外に様々な機械のメンテナンスも経験させていただきました。
その中にポップコーンマシンもあったのですが、食品加工機械はその会社の専門と違っていたため、一番若い私が半ば押し付けられるような形で担当になってしまいました。でも、「どうせやるならばきちんと知識を身に着けてやりたい」と思い、独学で勉強しながらメンテナンスの仕事を続けていました。
そうして色々と調べていると、国産の大型のポップコーンマシンは無いと知り、これはチャンスではないか。自分で作ってしまおうか。と、りメンテナンスの仕事をしながら開発を始めました。
アメリカ製との差別化を図りつつ様々な試行錯誤を重ね、オリジナルの技術やノウハウを開発し、4年かけて1号機が完成しました。
株式会社イズム
自社製のポップコーンマシン
外側の装飾もオーダーを受けて製作

ポップコーンの市場と共に成長してきた
 最初の機械が完成し、様々なテーマパークに営業をかけていきましたが、当初はアメリカ製に比べて約3倍の価格だったので、製品の良さはわかってもらっても、価格が高すぎて苦戦しました。その後改良を加え、3~4年後にはアメリカ製の1.2倍から1.5倍までコストダウンすることができました。
 性能では勝るマシンでしたが、それを維持して長く使ってもらうためにはメンテナンスが欠かせません。そこでポップコーンマシンでは異例の保守契約を結んでもらう事を販売の条件にしました。
当初はお客様もためらっていましたが、実際に修理などかかっていた経費と比べると、保守料の方が安い事が分かり、また先行して導入していただいた会社の評価の声も徐々に業界に広がって、保守契約締結という販売条件も受け入れていただけるようになりました。
 ポップコーンマシンを作り始めた今から20年位前は、アメリカ製の機械しか無かった事と、まだ大型のシネコンなども少なかった時代で、マーケットが小さく大手企業が手を出す魅力的な市場ではなかった事が、わが社にとってはチャンスでした。
 テーマパークで使われるカートタイプのポップコーンマシンは、テーマパークの一つのアイテムとして使うものなので、機械本体だけでなく、そのイメージに合わせた外側の装飾までもオーダーを受けています。塗装やFRP、樹脂など様々な素材を使った加工が必要なため、様々な素材や加工の知識も必要になります。
株式会社イズム
テーマパークに訪問してメンテナンス
シネコンに設置されたポップコーンマシン

オンリーワン企業だからこその「誇りと責任」「慢心しない」心を忘れないための社名
 以前のポップコーンマシンのメンテナンスは、厨房機器メーカーのサービスマンが厨房機器のメンテナンスのついでに点検する程度だったため、壊れた際にお客様が「売りたいのに売れない」というジレンマを抱えるケースがありました。わが社は直販体制と同時に保守契約を絶対条件としたビジネスモデルを提供することで、そんなお客様のジレンマを解消できるようにしています。
 全国のテーマパーク等での使用実績のもと、シネコンにおいては現在使っているマシンが入れ替えの時期に入っており、徐々にわが社のポップコーンマシンが普及し始め、シェアを伸ばしています。
国内生産は私達だけという高いシェアは、お客様に対してそれなりの責任を負っている事も、私たちは自覚しています。
スタートからオンリーワンの会社だったので、社名のイズムという名前も、「私たちが一身に担っているのだという誇りと責任を持ち、強い意志で常に努力と精進をしていく」という思いを込めてつけました。また、アルファベットのロゴもあえて小文字にしているのも、「慢心せず、驕らず」という気持ちを表したつもりです。
 究極のところ、私たちの仕事は相手が喜んでくれなければ意味がない、やはりサービス業だと思っています。自分たちの利益も当然考えますが、お客様の役に立つことが一番大きいと考えます。
現地に伺ってメンテナンスをするスタッフにも、ポップコーンを食べてくれるお客様の笑顔を間近に見ることでモチベーションを高く持ち仕事に取り組んでくれています。
株式会社イズム
創業者の飛田社長
松戸優良企業大賞最優秀賞受賞

株式会社イズム
千葉県から「千葉のちから」で表彰も受ける
  • ●取材先
  • 株式会社イズム
  • 〒270-2214 千葉県松戸市松飛台241-1
  • TEL:047-389-2621  FAX:047-389-2664
  • ホームページ:
    http://ism-ss.co.jp/index.html
  • 従業員:18名
  • 資本金:1,000万円
  • 事業内容:食品加工機器(ポップコーンマシン等)設計・製作 
    舞台装置・メンテナンス 
    ショー的機器設計・製作・メンテナンス 
    各種機器加工部品設計・製作 
    各種機械・厨房設備工事
(2019/8/8)
井戸堀りで重要無形民俗文化財に
井戸堀りで重要無形民俗文化財に
上総掘り(かずさぼり)
上総掘り1
人力で500mも掘ることができる技術
上総掘りとは明治20年代後半に千葉県君津市で考案された井戸掘りの技術です。
井戸掘りには古くから使われてきた「掘り抜き」という方法があります。これは単に人が入って穴を掘っていくやり方で、溜まった水は釣瓶(つるべ)でくみ上げます。
江戸時代になると、鉄の棒などで「突き掘り」という方法が主流になり、地面を突いて井戸を掘る方法が主流となりました。
しかし「掘り抜き」では数メートル、「突き掘り」でも30m程度とそれほど深く掘ることはできませんでした。一方上総掘りは深くまで掘ると500m位までは掘ることができ、現在のような掘削機がなかった時代では画期的な技術でした。
上総掘り2
自噴井戸(じふんいど)を掘る
一般的な掘り抜き井戸や突き掘り井戸は、上層にある水を通す層までしか掘らないのに対し、上総掘りは水を通す地層が水を通さない粘土層の地層にサンドイッチ状態になっている地層まで掘ることができるため、掘り抜き井戸や突き掘り井戸に比べ、水もきれいで安定した水量を確保することが出来ます。
君津市の小櫃川や小糸川の上流から中流の地域は、東京湾を中心に広がっているこの地層、鑽井(さんせい)盆地の端にあるため、粘土層に挟まれた水を通す層まで掘り進めると、地層の重さで自然に水が噴き出る「自噴井戸」を掘ることが出来ます。
この上総掘りの技術は、文政年間(1818~1830年)に開発されました。その後明治20年頃に技術的に完成しました。
上総掘りが優れているのは、竹や木、縄などで作ることができ、また動力を使わずに人力で深くまで掘ることができます。その結果地層の圧力で自然に水が吹きあがってくる自噴井戸になることです。
上総掘り3
シンプルだからすごい技術
上総掘りの井戸掘りは「堀り鉄管」と呼ばれる鉄管を使って掘り進めます。「堀り鉄管」には掘削した堀くずを鉄管内に吸い込むための「コシタ」という弁を付け、更に掘り進むための「先輪」を付け、地面を突いて掘り進んでいきます。
鉄管を引き上げる際の助けになるのが「ハネギ」と呼ぶ竹のばねの仕掛けです。これがあるおかげでかなり力を軽減する事ができます。
掘り進めていくとだんだん鉄管の長さが足りなくなってくるため、「竹ひご」を鉄管に固定し長さを補います。深く掘る場合は数百メートルになるため、この「竹ひご」は「ヒゴグルマ」という輪に巻き取り、必要な分だけ送り出されます。
他に革新的な技術となったのが、掘り進めて穴が崩れてくるのを防ぐための「ネバビズ」を使う事です。「ネバミズ」は粘土を水で溶いたもので、掘り進める穴に入れた状態で掘っていくことで、穴が崩れていくのを防ぐ手法です。
透水層まで掘り進んだら、最後に竹で作ったパイプを通して井戸は完成します。
上総掘り4
世界に通用する上総掘り
このように完成された上総掘りの技術で掘られた井戸は、「生きた水・久留里」として「平成の名水百選」に選ばれました。古くは千葉の大多喜町では天然ガスの井戸が、鹿児島では温泉の掘削に、新潟では石油採掘に利用されたという事です。
この上総掘りの技術は、道具も動力もいらないことから、アジアやアフリカなどの発展途上国で飲料水に困っている地域で用いられ、人々の生活役に立っています。
上総掘りの用具が重要有形民俗文化財に、上総掘りの技術は重要無形民俗文化財に指定されています。
また「特定非営利活動法人上総掘りをつたえる会」や「上総掘り技術伝承研究会」などが発足し、技術を継承するとともに、海外への貢献活動を行っています。
千葉に生まれた技術上総掘りは、世界に誇れる技術だと言っていいでしょう。
上総掘り5
心地いい家具を提供する
心地いい家具を提供する
有限会社大丸木工所
創業から120年、四代目の会社
 有限会社大丸木工所は、千葉県いすみ市で創業から120年、4代にわたり家具の製造をし、現在は家具の小売販売と製造の両方を行っている数少ない会社でもあります。
 創業から二代目までは、家具メーカーとして東京の卸問屋に販売、三代目は特注家具の製造を中心にしてゼネコンなどに販売していました。四代目の現在は、家具の小売りに力を入れ、全国から選りすぐりの家具を仕入れ販売する形態へと変化しています。売り上げは家具製造よりは小売り販売が勝るようになり、一般のお客様には小売販売会社として認知されています。
 小売りしている家具の、基本は木製で国産、長く使える全国でもトップクラスの商品を仕入れ、量販店より割安でご提供しております。また一枚板テーブルの品ぞろえは、千葉県内でもトップクラスを誇っています。
全国各地から集められた選りすぐりの家具とお客様の要望を実現するオーダー家具
全国各地から集められた選りすぐりの家具
お客様の要望を実現するオーダー家具

大切な思い出の家具の修理とオーダー家具との製造
 創業以来続けているオーダー家具の製造は、工務店や建築会社、設計事務所からのオーダーの他、一般のお客様からのオーダーを承っております。
 四代目の私自身は職人型と営業型で分類するなら圧倒的に営業型なので、作るというよりもお客様と工場の間に立ってお客様の要望をうまく職人に伝へ形にして製品を送り出せるようにする役割を担う事にしました。
 その為にはお客様のところへ訪問し、お客様から話を聞いてそれをスケッチして、実際に職人さんが作れるようにCADで図面に起こし、製造現場へと渡します。
 オーダー家具は設置まで行っており、仏壇は仏具屋さんでは対応できない据え付けの仏壇をミリ単位以下で削って仏間にぴったり収めるなどの据え付け工事も行います。
 また、工場があるので大切に使った家具の修理も承っています。売っておしまいではなく、何かあった時にはきちんとメンテナンスもするので、お客様には安心して買っていただけます。
 全てが製造現場を持っているからこその対応をお客様に提供できる事が、長くご愛顧いただけている理由だと思います。
お客様から修理を依頼された愛着のある椅子と家具メーカーだからできる据え付けの仏壇
お客様から修理を依頼された愛着のある椅子
家具メーカーだからできる据え付けの仏壇

家具屋なのにキャラメルや塩漬けオリーブまで発売
 四代目の私は旅行が好きで、大学生時代にはバックパッカーとして、往復飛行機のチケットと列車のチケットだけ持ってヨーロッパ一周の旅をしました。英語は苦手でも何とかコミュニケーションが取れたその時の体験で、何事も「何とかなるな」と思えるようになりました。更に大学を卒業後に、ワーキングホリデーでオーストラリアに行き、1年間を過ごしました。
 この海外体験が、今でもイレギュラーなことが起きてもプラス思考で捉え、自分の中で「これはこうでなければいけない」と縛りを持たないようになりました。家具とは全然違う分野でも、ふと思いついた事や見ていたものがリンクして、行動を起こすことがあります。
 出張中に機内誌でおいしそうな生キャラメルを見て、地元の食材でも作ることが出来るのではと思い、いすみ市にある牛乳とはちみつで、茂原のお菓子屋さんに頼んで「外房キャラメル」という生キャラメルを作って商品化しました。
 また、父がイタリア旅行にはまって栽培し始めたオリーブの実を九十九里の「山武の塩」で塩漬けし「外房オリーブ」も千葉県初の商品化し昨年販売しました。
 家具屋でも家具の事だけにこだわらず、今までないものを考えて形にする事が好きで、「こんなのできないかな」人に言われるとすぐに行動してしまいます。
 食品を作るきっかけとなったのは、本業の家具の仕事でお客様にお持ちするお土産品がいすみ市の物は干物位しかなく、何かいいものはないかと思っていたからでした。私がプロデュースして生産者を繋いで、物を作る。出来上がった商品は、関わった人たちで販売すればいいのではないかと思っています。
外房キャラメルと外房オリーブとレーザー加工でケーキトップも商品化
外房キャラメルと外房オリーブ
レーザー加工でケーキトップも商品化

心の豊かさを与える商品
 現在の日本は物の豊かさを追求する時代が終わり、心の豊かさのを求める時代へシフトしてきているのではないかと思います。この感覚は私が20年前にヨーロッパを旅した時に感じた感覚に似ています。当時の日本はブランド品の流行に流されていましたが、ヨーロッパでは自らが持つ価値観で流行には流されず自分の気に入ったものを求め満足するという世界がありました。今の日本の多様化はまさにその状態だと思います。
 そういう意味では販売している一枚板のテーブルも、求める方にとっては心の豊かさを表すひとつなのだと思います。
 「触り心地がいい」「座り心地がいい」「寝心地がいい」と全部「心地がいい」が家具の小売販売では、心の豊かさ=「心地いい」という事をテーマにしています。
 家具だけではなく「心の豊かさを与える商品を販売すること」それが大丸木工所のこれからの課題です。
製造と修理を行う工場と県内でトップクラスの品揃え一枚板のテーブル
製造と修理を行う工場
県内でトップクラスの品揃え
一枚板のテーブル

  • ●取材先
  • 有限会社大丸木工所
  • 代表取締役 大谷展弘様
  • 〒299-4622 千葉県いすみ市岬町押日3550
  • TEL:0470-87-2622  FAX:0470-87-6581
  • ホームページ:
    http://www.daimaru-m.co.jp/
  • Facebookページ:
    https://www.facebook.com/daimarumokkoujo/
  • 事業内容:一般家具小売販売 
    特注家具製造 
    オリジナル商品販売
(2019/5/13)
雨漏りのお医者さん
雨漏りのお医者さん
有限会社関東技研
関東技研ロゴ
外観
雨漏り修理スペシャリスト
有限会社関東技研は店舗、工場、倉庫などの板金工事、外装工事、ソーラーパネルの設置、雨漏り改修などを行う会社です。工事をするエリアは、茂原市を中心に東京や神奈川、遠くは栃木、茨城、神奈川までをカバーしています。
また、一般の工事の他、「雨漏り修理スペシャリスト」として活動しています。雨漏りの修理では、店舗や工場はもちろんの事、一般の住宅の改修にも自信をもっています。
雨漏りは発生場所を特定し、それを適切に改修する必要がありますが、場所と原因を正しく特定できていないと、改修工事をしても改善されない事が起こりがちです。
私達は、長年の経験だけに頼らず、施工された時代からの気象の変化など様々な観点から診断するとともに、同業他社ではあまり使われていない赤外線装置を使って雨漏りの経路を調査するなど新しい技術の導入も積極的に行っています。
更に、社員にも板金に関する資格をはじめ、仕事に必要なものを積極的に取得するように指導し、技術向上にも力を入れています。
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板金職人の芽を育てる
私の父も同じ仕事の会社を経営しています。学校を卒業したばかりの私は、フィリピンにあった父の会社の支店で3年ほど営業職として勤務していました。今思えば、海外での経験はその後の私にとって貴重な体験でした。帰国して20歳からは現場で修業を積み、28歳の時に独立して関東技研を立ち上げました。
会社を設立した当初は一人親方からスタートし、創業から15年になる今では20名体制で仕事をしています。私自身は現場の作業から離れてしまっていますが、業界団体の千葉県板金工業組合では理事と青年部の部長させていただき業界発展のために尽力しています。
また、職業能力開発機構からの依頼を受け、近くの中学校や高校で出張講座を行っています。「こういう仕事もあるんだ」という事を知ってもらい、一人でも多くの若い人たちがこの仕事を選んでほしいからです。
板金加工作業・材料
施工用の板金加工作業
屋根材など多種の材料を取り揃えて対応

資格取得や技能競技大会で技術の向上を図る
板金の仕事には、様々な資格があります。中でも最高位の資格は、一般社団法人日本建築板金協会の「登録建築板金基幹技能者」という資格です。公共の仕事などでは、この資格を持った人がいないと仕事をさせてもらえません。私達のような規模の会社では必須の資格となっています。
この資格を取るためには、10年以上施工に従事し、更に3年以上の職長経験と、更に5つの資格を保有し、試験に合格しないと取得できないもので、わが社では私の他に1名取得しています。
また、協会では資格取得だけでなく、職人の技術向上を目的とした競技大会も開催しており、私は第39回全国建築板金競技大会・建築技術の部で優勝しました。
花瓶と家紋
課題として一枚の板から製作した花瓶
家紋などの加工を依頼されることも

地域貢献への努力の結果がビジネスにもなる
地域活動では茂原商工会議所青年部に入って4年目、今は副会長をさせていただいています。入会し、会の活動を通して改めて、自分が茂原の事をあまり知らないことに気づかされたと同時に、街の事も知るようになりました。
茂原には関東の夏祭りとして有数の規模を誇る茂原の七夕祭りがありますが、今までは祭りに関わることはありませんでしたが、青年部に入会してからは関わるようになり、達成感やそこで知り合った方との交流も経験することができました。茂原を良くしていくための提言活動などでも意義を感じています。
考えてみると地域活動を続けていた結果、交流が元で仕事にもつながっていました。茂原の地元密着企業として、地元の方々との一体感を大切にし、地域を良くするための活動を続けていきたいと思っています。更に、地元の方にも高く評価していただけるよう、板金の技術を磨いていきたいと思います。
看板と社長
  • ●取材先
  • 有限会社関東技研
  • 代表取締役 飛留間和紀様
  • 〒297-0052 千葉県茂原市茂原市早野1145-1
  • TEL:0475-22-9230  FAX:0475-44-7147
  • ホームページ:
    http://kantogiken.jp/
  • 事業内容:各種屋根工事
    雨樋修理
    雨漏り修理
    リフォーム
    太陽光発電工事
    板金工事
    長尺屋根
    銅板
    セッパン屋根
    ステンレス加工
    コロニアル
    外壁等
  • 許認可 :千葉県知事許可(般-19)第43823号
    一般技能検定第08-1-122-12-0002号
(2019/4/8)
千葉の魚を海外に届ける
千葉の魚を海外に届ける
有限会社大福商店
大福商店
創業65年の冷凍工場
千葉県は親潮と黒潮がぶつかる地点なので、魚種も豊富で海の恵みに恵まれた土地です。
有限会社大福商店のある鋸南町は、その千葉県の南側、南房総の浦賀水道に面し、江戸時代の浮世絵師菱川師宣の生誕の地としても知られ、北部には「地獄のぞき」の観光地として有名な鋸山がそびえ、日本三大水仙生産地になっている特産品の日本水仙は、その昔「元名の花」として江戸に運ばれていました。
我が社は1953年(昭和28年)に製氷工場として創業し、その後水産加工工場の設立、冷凍工場へと創業から65年の間に事業を進化してきました。
現在は、鯖や鰯をはじめとした千葉県内で水揚げされる魚を冷凍し、国内の加工業者向けの販売、海外への輸出、他に加工品の製造・販売を中心に事業を展開しています。また水産氷の製造、漁港への販売も創業以来続けています。
創業65年の冷凍工場
マイナス30度で新鮮な魚を保管
創業以来続けているのは製氷業で、県内の漁港に水産氷を販売しています。水産氷とは漁港で水揚げされた魚を冷やすための氷で、県内には何社かの競合先が存在します。また、最近では漁協などでコインを入れるとフレークされた氷が出てくる全自動の無人製氷設備が増えているので、我が社が販売している130キロを超える大きな氷の需要は落ちてきています。漁港の水揚げが多い時や、魚の輸送時はフレーク状の氷ではダメなため、私たちの作っている氷が必要になります。しかしその需要は、漁港の水揚げ量によって大きく左右されます。
現在の主力商品は冷凍した鯖や鰯の販売で、内房・外房の各漁港で水揚げされた魚を仕入れ、冷凍して販売しています。
最近は、鯖の水煮缶などがブームになっているため、大手の水産加工業者は争って買い付けています。千葉県内で鯖が大量に水揚げされるのは銚子漁港です。一日に5,000tや6,000tの漁が水揚げされますが、シケなど自然の影響もあり、週に一度位しか水揚げされません。私達も銚子で水揚げされた鯖を10t~20t買い付けますが、需要が多いので価格も安くはありません。
買い付けた後、魚は鋸南町にある我が社の冷凍工場へと運ばれます。定置網で獲った魚は、様々な魚種が混じっているものを、人手で魚種やサイズごとに選別し、鮮度の良い物は加工または輸出用と養殖魚の餌用に分類し、直ぐにマイナス30度以下の温度で冷凍します。
マイナス60度で新鮮な魚を保管
加工品製造で仕事量を安定化
冷凍魚の販売は水揚げが無ければ仕事にならないため、少しでも安定した仕事量を確保するため魚の加工も行っています。
東京湾で獲れるコノシロ(寿司ネタで「コハダ」)を開きに加工して冷凍し、寿司用として出荷しています。他に加工商品として定番化しているのが、魚の落とし身です。落とし身とは、魚の骨と皮を分離し、すり身状にミンチ加工した商品で、鯵をはじめ鰯やコノシロ、また、南房総では馴染みの薄かったシイラ、クロシビカマスなどを使って製造しています。
鯵の落とし身を使った郷土料理の「さんが焼き」は、地元の水産加工会社に協力して商品化し、大好評を得ました。
他にも我が社の鰯やコノシロの落とし身を使って作った団子汁は、道の駅などで販売され、テレビでも紹介された事から大好評をいただいています。
このように加工製品の製造は、水揚げされたまま冷凍し、解凍して加工、また冷凍して在庫することで、天気や季節に左右されず安定して加工することができ、天気に影響される不安定な仕事を補う大切な仕事です。
加工品製造で仕事量を安定化
大福の名前で評価があがる
鯖の需要は国内需要に加えて近年は海外輸出も増えています。海外でも八戸から銚子までで獲れる鯖はすごく人気があり、特にアフリカからの注文が増えています。銚子には県外の加工業者まで進出し、最新鋭の加工工場を建設し国内外に販売しています。
私達が銚子漁港から買い付けると、銚子の業者と違って運賃がかかって高くなってしまいますが、それでもタイやベトナムなど東南アジアでは我が社の魚は人気があります。品質が良いのはもちろんのことですが、はじめは東南アジアの各地のバイヤーたちが、「大福」という縁起のいい名前に注目してくれたことから、今では『「大福」の魚がいい』と評価をしてくれるようになりました。
これからは地球温暖化や、魚種交替という獲れる魚種が交互に増加する減少などの影響を受けながらも、安定して事業を続けていくために、コノシロなど地元東京湾で獲れる魚の加工にもっと力を入れていきたいと思っています。
地元の食材に期待して観光客は南房総にやってきます。その中でも半分以上は魚を食べたいというお客様でしょう。我々は表舞台には登場しませんが、落とし身などの加工品を飲食店などに提供し、観光客にもっと千葉の魚を食べていただくよう今後も努力していきます。
大福の指名買い
編集後記
中華料理店などでさかさまの「福」の字が貼ってあるのを見かけることがあると思います。これは倒福といい、縁起物だそうです。その謂れは、中国語で「福」を逆さまにすると、「倒福 dao fu」と書き、この「倒dao」と同じ音を持っているのが、「到dao」で、「やってくる」を意味していて、同じ発音である事から洒落でさかさまの「福」となったそうです。
『「大福」という名前を付けれくれた親に感謝しなくては』とおっしゃっていた鈴木社長。今や「大福」の文字だけでなく、「一」のマークでも「これがいい」とブランド化しつつあるそうです。いつしか世界中に「大福」の文字、「一」のマークが広まっていく事でしょう。
  • ●取材先
  • 有限会社大福商店
  • 〒299-2117 千葉県安房郡鋸南町勝山126
  • TEL:0470-55-0551(代)  FAX:0470-55-4000
  • ホームページ:
    http://www.daifuku-syouten.co.jp/
  • 事業内容:水産物冷凍製造販売(養殖向け餌料・加工用原魚 等)
    製氷事業・氷販売
    水産加工業(寿司種用コハダフィレー・地魚落とし身加工 等)
    鮮魚買い付け
    水産冷凍物営業販売
(2019/1/7)
醗酵の技術で農業を変える
醗酵の技術で農業を変える
マリポコミュ
野菜の生産と加工
マリポコミュ
マリポコミュという名前は、スペイン語の「マリポーサ」と「コミュニティー」の二つの言葉を合わせた造語です。「マリポ」は、スペイン語の「マリポーサ」は蝶のことで、私達の活動のような、小さなことが様々な要因を引き起こし、大きな現象へと波及していく「バタフライ効果」が生まれていくことを願ってつけました。
マリポコミュで生産している野菜は、全て完全無農薬、看板商品はきくらげで、7月から10月頃までの間に直売所やネット通販などで販売しています。きくらげは国内産が全体の2%位と言われているきのこです。生のきくらげは、水分が90%以上あり、天然のフィルターを通した美味しい水が手に入るこの地域には適しています。プルプルな食感を生かして食べてもらう「おさしみ専用のきくらげとして販売しています。通販のお客様のおよそ9割からお礼のメッセージまでいただいています。他にマコモダケなど珍しい野菜も生産し、加工品では大豆を醗酵させて作ったテンペなど醗酵の技術を使った商品や特殊な減圧乾燥機を使った乾燥野菜なども製造しています。
施設内にあるショップ
施設内にあるショップ
海外でもったいないを実現
南米のコスタリカでチーズを作った後に残る「ホエー」が捨てられて河川汚染の原因になっていました。大学院では醗酵が専門だった私は、卒業してすぐ青年海外協力隊としてコスタリカに行き、問題になっていたホエーを使って乳酸菌飲料を作りました。この活動の結果今まで廃棄していたものを製品化することで、収入がアップし、雇用も生まれました。
その後製薬会社に就職し、植物を醗酵の技術を使って、機能性を高め、糖尿病や高血圧に効くものを作る研究開発の仕事をした後、もう一度コスタリカへ行き起業し、商品開発のコンサルタントの仕事を7年位していました。
家庭の事情で、コスタリカの事業をやめて帰国し、1年ほど父の事業の手伝いをした後、好きな仕事をやろうと考えていた矢先、ピースボートの通訳の話が舞い込んで、船に乗りながら今後の身の振り方を考えるつもりで乗船する事を決めました。
航海中20名位で集まっては、「田舎で豊かな暮らしをする仕組みづくり」をするには何をやったらいいかと話し合っていました。君津との出会いは、以前鴨川の病院に勤めていた船医さんからの紹介でした。田舎なのにアクアラインが通っているので、アクセスが良く、すごく気に入って、活動の地に決めました。
醗酵の技術で新しい商品開発
今から6年前この場所を借りて活動をはじめましたが、農業経験もない私を親切な近所の方が何かと助けてくれました。
皆と競合しない作物を探して見つけたのが、きくらげでした。その後、様々な作物に挑戦しながら自分の持っているスキルを生かした加工品へと事業を拡げていきました。
加工品ではヤーコン茶が一番ロングセラーの商品です。ヤーコンは薩摩芋のような芋で、普通は捨ててしまう茎をお茶にして飲むと血糖値を下げる効果があります。しかし苦くて飲みにくいので、に独自に開発した方法で苦味を消し、減圧乾燥機で成分を壊すことなく乾燥させました。
また近隣の農家が生産した捨てられてしまう規格外の野菜や、出来すぎた野菜などをこの乾燥機を使って乾燥野菜として販売するための商品化のお手伝いもしています。減圧乾燥機を使うことで、低温で乾燥させることが可能になるため、栄養素を壊さず乾燥野菜を作ることが出来ます。
さらにマリポで開発した乳酸菌、「マリポ乳酸菌」を使って、1m位まで育ってしまった竹を乳酸醗酵させたあと、乾燥し国産メンマを作ることに成功しました。
今では近隣の農家だけでなく、県内の色々な方から醗酵や乾燥の技術を使った農産物加工のご相談が舞い込んでいます。
マリポコミュ
醗酵メンマ
乾燥れんこんとパウダー

マリポコミュ
減圧乾燥機

コミュニティーを作ってバタフライ効果へ
私が元々研究者育ちで、売る事よりも作る方に興味があることは、強いところでもあり、弱いところでもあります。でも、農作物の商品化は外注すればジャムでもドレッシングでも簡単にできますが、それが必ず売れるとは限りません。本当に売れる商品づくりというのは、やはりその道の専門の人が必要なはずです。そういう意味でいうと、うちしかないオリジナル商品を持っている、そこが強みでもあると思っています。
今では様々な課題が持ち込まれ、商品化に向けた開発も行っています。
マリポコミュは農業だけでなく、自然の中で出会った人たちとのコミュニケーションスペースとしての機能もあります。
建物はゲストハウスとして短い期間泊まれる施設や、田舎の環境でビジネスをやりたい方には、「コワーキングスペース」があります。また、11月からシェアハウスもオープンする予定です。
マリポコミュは農園、加工品の販売、コミュニティスペースなど私達の活動が、バタフライ効果で拡散して少しでも良い社会になるよう貢献できる事を願って活動を続けています。
マリポコミュ
聖なるバジルの炭酸水
編集後記
朴訥と話をしてくれた古木代表。農業の世界に飛び込んで、生産者の立場、加工者の立場も実体験として感じたそうです。そこで農業の六次産業化の難しさを打破するために、規格外や作り過ぎで捨ててしまう作物をタダで加工し、加工賃は完成した商品で山分けする。農家に負担の無いやり方を実行しているそうです。原価が低いので、買うお客様にも安く提供できる。まさに近江商人の三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)を実現したやり方で感心しました。
更に、農家に足りない知識と技術を学問の力で補うことで、新しい農産物が生まれます。そこに新しい農業の片鱗が見えた気がしました。
古木さんは自分の暮らし方を見てどんどん真似してほしいと言います。望み通りバタフライ効果へと拡大していく予感がします。
チバビズドットコムのまだあ~るちばのコーナーもご覧ください。
(2018/12/10)
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