「道の駅とみうら枇杷倶楽部」がある南房総市富浦町は、2006年の7町村合併が行われる前の千葉県安房郡富浦町時代に始まります。当時、富浦町は過疎化や景気悪化などで衰退の危機を迎えていました。町役場はこの危機に対処するため産業振興プロジェクトチームを編成、そこから生まれたのが第三セクターで設立した「株式会社とみうら(現株式会社ちば南房総)」と千葉県初の道の駅「道の駅とみうら枇杷倶楽部」でした。
設立された「株式会社とみうら」は、地域の観光関連の施設を繋いだ観光の誘致活動や40種以上のオリジナル商品の開発と製造・卸の役割を担いました。
元々は販売できる期間が年に1ヶ月程度しかなかった枇杷の規格外品を使って、様々な商品を開発にすることで、1年を通じて枇杷製品を販売できる、いわば地域ブランド品まで育て上げました。また、「道の駅とみうら枇杷倶楽部」は、観光の拠点として、また枇杷製品の販売、更にインターネット通販など新しい取り組みを行う拠点として地域に大きく貢献しました。
「株式会社とみうら」は、「観光会社・農業者・商工業者等が連携し、食事・味覚狩り・農業体験などを一括した集客交流モデルを構築し、経済波及効果を拡大した。これらの取り組みが、『房州びわ』の地域ブランド確立につながり、枇杷の生産振興、観光客の集客アップに大きく貢献した」と評価され、経済産業省商工連携88選に選ばれました。「道の駅とみうら枇杷倶楽部」は2000年に行われた全国道の駅グランプリで優勝しています。
以来、季節限定の枇杷製品だけでなく、道の駅や高速道路のサービスエリアなどでは、枇杷の実の加工品が千葉の地域ブランドのみやげ品として定着し、販売されるようになっています。
(2018/6/11)