「海の恵み」を消費者に届けたい思いで
漁業から水産加工へ転身して30年。
次の挑戦は消費者に直接手渡しすることです。
捕り手から作り手へ
1980年代までは千葉県南部の千倉町は、サバやサンマを中心とする漁業が盛んで、私の曽祖父も網元としてサバやサンマなどの漁をしていました。
祖父は曽祖父のあとを継いで株式会社鈴協水産を設立し、サバやサンマ・鮭漁をしていました。祖父の後をついで父が、そして私が四代目として会社を引き継いだ当時も自らも船に乗り漁をしていました。
1986年(昭和61年)にサバ漁が最低に落ち込み、資源枯渇と水温低下による不漁が深刻化したのを機に、私は水産加工への転業を決意し、翌年1987年(昭和62年)に現在の有限会社スズ市水産を立ち上げました。
水産加工に取り組む
スズ市水産は網元時代に船の倉庫として使っていた建物を改築し、サバやサンマのみりん干しなどを加工する加工場としてスタートを切り、製品は漁協関係の会社を経由して生協へ販売されていました。
創業2年目には鮮魚を扱うようになり、3年目には地元スーパーに鮮魚や加工品を販売するようになりました。
1998年(平成10年)には衛生・品質管理の基準を満たすために新工場を建築、2003年(平成15年)頃からはあわびや伊勢エビなど地元で獲れる高級食材を使ったギフト向けの加工品も始めました。
現在では、地元であがる魚の加工品だけでなく、地元の鮮魚はもとより、全国各地で水揚げされる鮮魚も仕入れて販売できる体制を構築し、スーパーや料理店のお客様に提供しています。
料理の神様のお墨付き
我が社がある千葉県南房総市千倉町には日本で唯一料理の祖神を祀(まつ)る高家神社(たかべじんじゃ)があり、料理関係者や味噌・醤油などの醸造業者からの信仰を集めています。2016年に千葉ブランド水産物、ふるさと品認定を受けた「天然あわびの海女の味噌焼き」はこの高家神社のお墨付きをいただきました。
この「天然あわびの海女の味噌焼き」を始め他にも
2007年 全国水産加工協同組合連合会会長賞受賞「伊勢エビテルミドール」
2004年 東京都知事賞「天然黒あわび煮貝」
2006年 全国水産加工協同組合連合会会長賞受賞「天然あわび海女の味噌焼き」
などの開発した商品で賞もいただきました。
高級な食材を使った開発商品は、お中元・お歳暮などのギフト用商品としてデパートなどで販売されており、全国に届けられています。