微生物農法で体に良い食べ物を作る
野菜の生命力と微生物の力で栽培
酒巻農園は化学肥料や農薬を一切使わずに、野菜が本来持っている生命力と微生物の力で玉ねぎ、サツマイモ、落花生、米を栽培しています。また、玉ねぎやサツマイモの収穫体験や、サーキットを借りてトラクター試乗体験など、子供や大人に農業体験をしてもらうイベントも開催しています。更に野菜を作るだけでなく、化学肥料や農薬を使っていない安心な玉ねぎを材料にした煎餅やクッキーなども作って販売しています。
私はもともと農業とは縁のない生活でしたが、「一度きりの人生だから好きなことをやらなければ損」と、行き着いた先が農業でした。農業を始めたおかげで、多種多様な知人や仲間にも恵まれ、その仲間たちと一緒に新しいことにチャレンジする日々です。今まで経験してきたことが今に繋がり、農業をするために今までの経験があったと思えるくらい充実しています。
作った野菜は一般の販売ルートには出荷せずに、知り合いのビーガンカフェなど健康に特化した店舗や本来野菜などを販売していないゴルフ練習場やケーキ屋さんなどに置いてもらって販売する他、マルシェなど催事では私自身が店頭に立って販売しています。
機械好きが農家になる
もともと私は機械が好きで、高校時代に自動車の3級整備士の資格を取得し、高校を卒業後農機具メーカーに就職し、農機具の整備士として働いていました。勤務していたメーカーではサービスマンのコンテストがあり、入社3年目までのフレッシュマンの部で全国優勝もしました。会社では農機具の1級整備士の資格も取得し、大好きな機械の修理をしていましたが、そのうち「ものづくり」がしたくなり、思い切って約10年間お世話になったメーカーを退職し、転職しました。
転職した先は、精密機械を設置する際の土台になる定盤(じょうばん)を製造している会社で、ミクロン単位の精度が要求される仕事でした。鉄の鋳物でできた定盤を機械でミクロンレベルの精度まで研削するのですが、鉄はわずかな温度変化でも熱膨張という現象で変形してしまうため、そのときは平らでも研削後に熱変形して平らではなくなってしまいます。過去のデータから熱変形を予測してミクロン単位の精度に機械でミクロン単位の精度に仕上げる取り組みをしていました。