民家再生で
日本の建築を守る
民家再生リノベーション
保川建設株式会社は来年で創業50年になる建設会社です。地元茂原を中心に、在来工法の一般注文住宅の設計・施工をはじめ、民家再生事業、造園土木、住宅宿泊管理(民泊)などの事業を行っています。
民家再生事業とは、日本の住文化の結晶ともいえる民家(古民家)を、リノベーションしながら次世代へとつなげていく事を目的としています。
私の父は大工で昔ながらの家づくりをし、古い家の改修もやっていました。今から20年位前、創立したばかりのNPO法人日本民家再生協会という組織に入会し、「民家再生」という言葉を使うようになりました。それからは、あえて「民家再生」という名称を使ってPRしながら、古い建物の改修をしていました。
古い建物の改修は、建物を一度解体して、柱と梁(はり)だけにし、柱と梁を持ち上げて基礎まわりを直して元に戻す揚家(あげや)や、建物をそのままの状態で移動させる曳家(ひきや)の技術などを用いる場合があります。更に建物を一度バラし、別の場所に建て直す移築などを行うこともあり、リフォームというより構造から根本的に見直すことが多い仕事です。
従って、伝統工法にも新築にも対応できるような大工さんを抱えてリノベーション・レベルの工事をする必要があるため、一般のリフォーム会社では対応ができない仕事です。
千葉県建築文化賞受賞
小さい頃私は大工になると言って、暇があれば何かを作るような子供でした。
建築は好きでしたが、成長するにつれ会社を継ぐ気持ちがなくなっていきました。高校は土木系の学校に進学し、在学中に土木の測量の資格を取得していたため、卒業後10年位は測量の仕事をしていました。
実家を離れていた私は、会社が普通の家づくりをしている事しか知りませんでした。しかし、民家再生という看板を掲げ始めた頃から「面白いことをやっている」と思い、その事が戻るきっかけになりました。
私が入社する前は、父と叔父二人と社員一人の三人体制でやっていて、年齢が近く高齢化も進むので、このままでは無くなってしまうという危機感もありました。また、地元にお客様がいるのにもったいないという思いもあり、跡を継ぐことを決心し、入社後すぐに二級建築士の資格を取得しました。
民家再生では造成も絡む特殊な仕事があるため、家を建てる前の土木の測量の技術も役に立っています。
民家再生の事業を続けていたおかげで、今年(平成31年)の千葉県建築文化賞住宅の部で最優秀賞をいただきました。