住宅性能を向上させ
建物の資産価値を守る
私自身が大工仕事もやってきているので、「ここにこれが必要だ」とか「ここがこうなると使いづらい」という事がわかるので設計も私がしています。設計で気を付けているのは「建物としての強さと機能性」はもちろんの事、木が人に与える「リラックス効果」も考えています。
たとえば扉なども住宅設備メーカー製ではなく、自社で作った物か無垢材を使ったメーカーの物を使い、一部はあえて無垢材の梁を見せるなど、デザイン性の高い「かっこいい住宅」を作るようにしています。
日射遮蔽を計算して高断熱・高気密の住宅はイニシャルコストの建築費用は多少上がりますが、電気代などのランニングコストでそれを取り戻すことができます。以前私が住んでいた新築の17坪の平屋の貸家では夏場の電気代が3万円位かかっていましたが、吹き抜けを含めると80坪近くある現在の家は、電気代が半分以下になりました。イニシャルコストは多少増えても、ランニングコストが下がることで、ある程度の年数でコストは逆転してしまいます。その上にどの部屋も温度差がほとんどない快適な生活が手に入れられるのです。
実際の性能面で我が社の住宅も世間で騒がれているZEH(ゼッチ)※1を当たり前にクリアしていますが、多くのビルダーや工務店でもこの程度の事はやっています。
しかしZEHはエネルギー面だけの評価で、性能が悪い家でも太陽光パネルなどを追加し発電量を増やして収支をゼロにする事ができてしまいます。それではその住宅はいずれ「壊してまた新たに建てる」ものになってしまいます。
私はそういう住宅が増えていく事にストップをかけるため、BELS(ベルス)評価表※2で「家の燃費」を評価・認定してもらい、建物の資産価値を守る取り組みに挑戦しています。
実際にヨーロッパやアメリカでは古い建物の価値は下がりませんが、日本では古民家などの場合別の「付加価値」で評価が下がらないケースがあるものの、普通の住宅の価値は下がる一方です。そこで性能の良い建物を建て、BELS評価表で評価されていれば、その建物は資産価値を持ち、壊される事がなく長く受け継がれていきます。
※1.ZEH(ゼッチ)とは、Net Xero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、住まいの断熱性・省エネ性能を上げ、太陽光発電などでエネルギーを創り、消費エネルギー量の収支をプラスマイナス「ゼロ」にする住宅を指します。
※2.BELS(ベルス)評価表とは、「建築物省エネルギー性能表示制度」のことで、新築・既存の建築物において、省エネ性能を一般社団法人住宅性能評価・表示協会が認定評価し認定する制度です。
プライバシーのため締め切ることが多い2階の子供部屋以外の全てをエアコン一台でカバーしている。
住宅性能を示すBELS評価表
エネルギー効率を考慮した外観
ソーラーパネルの発電量と消費量を常に表示