伐採業から
新しい形の林業へ
林業は伐採した木を材料として販売するまでの仕事ですが、私がやっている仕事は「この木は大きくなりすぎたから切ってほしい」「建物を建てるから切ってほしい」と依頼され、木を伐採して片付ける仕事なので単に「伐採請負業」です。
外材の輸入自由化政策で衰退してしまった日本の林業ですが、脱炭素社会的な視点で見てみれば、海外の山から木を伐採し、トラックで陸送して港に運び、船で日本まで運び更にトラックで陸送して全国に供給するのであれば、日本国内で伐採して運んだ方がよほど二酸化炭素の排出量は落とせるのではないかと思います。しかし日本の昔ながらの地域産業的な仕組みでは合理的なビジネスに繋がらないため、海外から輸入する流れは簡単には変わらないと思います。
そんな中で実際に木の伐採をしていると、名木が欲しいと言う人が現れる時があります。しかし需要に応じた価格で供給するのはとても難しいです。そこで伐採した木を更に小さく切り、容易に搬出できる大きさにしてSNSで発信する事にしました。現在、地元で繋がった芸術家の方やDIY好きな方へ届き新しいビジネスになろうとしています。
千葉県に
樹上作業装備の専門店を作りたい
山師の仕事の方は、おかげさまで今は営業をしなくても口コミでお話をいただいています。ただ地元や知り合いが中心なので、もう少し広域に広げられたらとは思っています。
その活動の中で、安全で確かな作業と共に欧米式の樹上作業装備を使用しながら、少しでも安全に仕事が出来るように、また安全を確保するための情報を専門家はもちろんの事、一般の人たちにも発信していきたいと思います。
現在、日本国内の樹上作業用装備の需要はまだ薄く、取扱店が少ないため手に入りにくい状況にあります。
サラリーマン時代から趣味にしているアメリカンクラッシックカーは20年の付き合いで、修理や車検でお世話になっている専門店のオーナーが、北米で輸出業務をしている事から、装備品の現地購入と輸入代行をお願いしたところ、現地から調達できるようになりました。それを知った同業者の方々から譲ってほしいとお願いされ、今では受注販売するようにもなりました。かなりニッチなビジネスですが店頭販売を目指しています。
当初の計画では昨年春には法人化して、輸入した装備品の販売はもとより、自社オリジナルの商品開発まで行い安全で合理的な装備品を広める会社にしていきたいと準備していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で日々変化する社会情勢に翻弄されながらも、一つ一つ準備を重ね計画を進めています。
樫の大木を薄くカットして需要を見出す
輸入した樹上作業装備品やロープなど
注1.山のどこにどんな木をどのくらい植えるかを考えながら植林し、必要に応じて木を間引きや伐採をしている人。