お客様の「米びつ勘定」で
農家さんの信頼を得る
1993年(平成5年)に天候不順による冷害で、稲の記録的な生育不良が原因で消費者から卸業者までも米の確保に奔走した「平成の米騒動」では、各地のお米屋さんは閉まってしまうなどの大騒ぎでした。「まきの」にも1日で2,000人もの人が並ぶ状況で「欲張らないでください。大丈夫ですから。」と自分達に任せてくれれば無くならないとお伝えしました。実際に「まきの」は産地とのつながりを持っているので、その騒動の中でもお取引先のお客様には安定的にお届けできる状態でした。また、東日本大震災の時も同様で、お客様には「確保しないほうが良いですよ。時間が経つと美味しくなくなっちゃいますから。いつでも買えますから安心して買いに来てください。」とお客様をなだめる状態になりました。
「まきの」では一般家庭で一週間、一カ月でお米をどれくらい消費するか、この家庭は何カ月で何十キロ食べるかを予測できるお客様の「米びつ管理」が出来るシステムを父と一緒に作り、農家さんには種の用意の段階から1年間必要なお米の量30kgの袋で200袋お願いしますとか400袋お願いしますと発注します。農家さんは受注した量のお米を美味しく届けようと頑張ってくれます。天候が悪く全国でお米の収穫量が少なかったとしても、信頼があるから発注数を確保してくれます。この信頼関係がある事によって、お客さまにも安定的にお届けする事ができるようになっています。
このように一般的には「作った物を売る」という「商品」が先で「販売」が後ですが、「まきの」のやり方は、「販売先の確保」が先で「生産」が後に来るという全く逆のスタイルになっています。また、常に農家さんには「高く買ってあげたい」という考えで、高く買った分農家さんには「新しい機械の導入」や「効率化」などをしてもらいたいと思っています。
また、誰も「食育」と騒いでいない25年位前から学校に「食育」を教えに行く活動をしていました。その活動が本格化したのは、2005年(平成17年)に「食育基本法」が出来てからで、「食育をしなければならない」と教科書が出来ても誰も教える事は出来ませんでした。また、農協が小学校で「バケツ稲」をやってもらおうと、種や肥料など材料を支給しても先生方は教える事が出来ないため、「私がやります」と手を上げて小学校への出張講習が始まりました。学校には、米の知識だけでなく食べる方も、炊く方も、太巻き寿司、飾り寿司も教えに行っています。更に教えに行った先生が異動すると、異動先から再び依頼をいただく事もあり、出張講習の範囲もどんどん広がりました。
オリジナルブランドの米を伊勢神宮に奉納した証明証
自社開発したレンジで作れる美味しいお米の商品